令和6年6月10日、九重町議会では、重要な一般質問が行われた。特に注目を浴びたのは、野上小学校への校区外登校に関する問題である。保護者からの要望を受けて、教育委員会は校区外登校の申請を行うが、その基準が不透明であることが関心を集めた。
教育振興課長の友松直和氏は、校区外登校に関する許可基準の中で、「教育的配慮」は具体的な理由にはならないとし、特例の許可が難しいことを再確認した。校区外への学校選択の自由が求められる中、教育委員会は「小規模校への入学希望」を許可できない現状が、地域保護者の意見を十分に反映できていないことを示している。
一方、野上中学校跡地についても議論が交わされた。町長の日野康志氏は、以前の体育館の利用計画を見直し、リニューアルする方針であることを明らかにしたが、この決定に対して地域住民の反発があることも事実であり、これに対してどのように向き合うべきかが問われている。身近な意見を行政がどう吸い上げ、結果として形にしてゆくかが今後の課題となっている。
また、地域資源である森林や地熱エネルギーの活用についても提起された。岐部俊哉議員は、現在の地熱発電の状況を説明し、地熱と木質バイオマスのハイブリッドによる新たな電力生成の可能性を模索すべきとの意見を持ち寄った。環境保全と経済活動の両立を求める声が高まる中で、地域の資源をどう生かし、地域活性化につなげるかの意義が一層強調される。
教育と地域の持続的な発展に焦点があたる中で、行政の柔軟な対応と市民の声をしっかりと受け止める姿勢が求められている。議会が進める対話の行政が、果たして真の意味で機能しているのか、今後の行動が注目される。