令和2年9月15日、日田市議会の第3回定例会において、重要議案が取り上げられた。
主な焦点は、令和2年度日田市一般会計補正予算第7号に関する質疑だ。議案第74号では、特に新型コロナウイルスの影響を受けている商業支援策として、プレミアム付き商品券発行事業が提案された。商工観光部長の中島孝幸氏は、プレミアム率を紙商品券が20%、電子商品券が30%に設定し、合計で12万冊の商品券の発行を予定していると説明した。
この商品券事業は、地域の消費を喚起するための重要な施策であり、特に電子商品券は、接触を避けるためのキャッシュレス決済を促進する狙いも含まれていると強調された。中島部長は「プレミアム付き商品券の電子版は、利用を通じて新たな消費者層を開拓することが期待される。」と述べた。今後、実行委員会の設置を進め、年末商戦までにはスムーズに運用を開始する見込みだ。
一方、公共土木施設の災害復旧に関する議案も重要なテーマの一つとして議論された。土木建築部長の梅木裕次郎氏は、令和2年7月の豪雨による復旧費として3億9千万円の増額が計上されていることを明らかにし、復旧工法についても説明を行った。特に、過去の災害復旧の教訓を踏まえ、原形復旧を超えた防災機能を向上させる施策を講じるとの方針を示した。
さらに、議案の審議に続き、農業関連の支援策としてファーム施設の復旧費用も話題に上がった。農林振興部長の橋本哲治氏は、ライスセンターの復旧が進められており、その復旧に関する補助金の枠組みも明示された。補助対象が被災農業者だけでなく、農業用機械なども含まれることから、復興の途上において地域農業の早期回復が期待されている。
今回の定例会では、地域経済の再生に向けた具体的な施策や見通しが詳細に議論されており、商工業、農業、ともに被災からの復旧を加速させるための重要な一歩となることが期待されている。