令和5年9月12日に開かれた日田市議会定例会では、様々な市政に関する質問が行われた。特に注目を集めたのは、市長の公約である小中学校の給食費無償化や花月川の河川改修、農業用施設に関連する災害復旧についてである。
大谷敏彰議員が市長に対し、学校給食の無償化について質問した。この政策は、公約の一環として掲げられたもので、市長の椋野美智子氏は、経済的な負担を軽減し、子育て世代を応援するために重要であると強調した。また、無償化の具体的な準備や財源についても言及された。
次に、花月川の河川改修と内水氾濫対策についても質問があり、市長は現在進行中の工事の進捗状況を確認し、さらなる改善策が求められていると述べた。特に内水氾濫に対する対策は急務とされ、浸水シミュレーションを通じて地域の特性に応じた改革が進められていることを明らかにした。
さらに、農地や農業用施設の災害復旧についても触れられた。特に、近年の集中豪雨による影響で多くの農家が被害を受けており、その復旧に対して安定した国や地方からの支援が必要であった。農林振興部長の鈴木浩美氏は、農業被害の現状と今後の復旧計画について具体的に報告し、間接的にでも農業従事者の負担軽減策が求められていることが浮き彫りとなった。
周辺地域の振興策についても議論が交わされ、特に人口減少とそれに伴う地域の過疎化が課題として取り上げられた。市長は、地域の実情を踏まえたプロジェクトチームの設置を検討し、専門家や地域住民と協力していく方針を示した。この取り組みは、地域の様々な課題を包括的に解決するために重要である。
農業災害に関する質疑も行われ、特に同じ場所が繰り返し被害を受けていることに対する市民の不満が明らかになった。議員たちは、原形復旧だけでは十分でなく、予防策の強化が必要であると強調し、役所間の連携や国への報告が重要視された。
最後に、日田市の魅力を世界に発信するための具体策について質問が集まり、クールジャパンなどの戦略を通じて観光客を呼び込む努力が進められることが期待されている。特に、井上準之助氏にスポットを当てた新たな観光資源の発掘の可能性も提示され、大きな期待が寄せられている。