令和3年9月8日、日田市議会の定例会が開催された。この会議では、原田啓介市長が市長就任10年の市政に対する思いや新型コロナウイルス感染症対策について詳しく説明した。市長は就任以来、災害対応に力を入れてきたが、今後も市民に寄り添った施策を続ける意志を示した。
とりわけ、市内の新型コロナウイルス感染症の感染状況に対する対策が重要な課題とされ、特に学校、地域社会の防疫意識の高揚が求められている。市長は、「市民協働による地域の力を最大限に引き出し、再び災害に強い地域を目指す」と強調した。
この中で、特に注目されたのは農業振興についての発言である。市長は「日田の豊かな自然環境と住民の知恵を結集しよう」とし、過疎地域や農業振興ビジョンの重要性に触れた。加えて国が進める種苗法の改正についても言及し、農業者に与える影響について議論した。
市内では、商工観光部長が観光振興基本計画の中で天ヶ瀬温泉街の復興支援についても言及しており、地域資源を生かした観光振興に向けた取り組みが進められている。これに対し、議員からは地域住民への情報発信やコミュニティ参加の重要性が指摘され、市としてもその必要性を認識していると述べた。
また、日田市では、過疎地域持続的発展計画が策定され、その中で人口減少の現状といかに対策を講じるかが検討されている。この計画には地域特性や住民の意見を重視し、まちづくりに寄与する方向性が求められ、各施策との整合性が計られなければならないと指摘された。
教育の面では、不登校児童生徒への支援がますます重要視され、地域おこし協力隊やボランティア団体が関わり合い、支援体制を構築することが求められている。また、日田教育委員会は、不登校、いじめ対策における民間団体との協力体制を進める方針である。
議会でのやり取りを通じ、市民とのコミュニケーションの重要性が改めて強調され、日田市民が一体となった取り組みが今後の課題であると認識されつつある。これからの市政運営にあたり、透明性を高めた情報発信と多様な市民参加を通して、市民の信頼を得ていく努力が必要であると考えられている。