令和3年6月29日に開催された日田市議会の定例会では、天ヶ瀬温泉街復興プロジェクト事業に関する補正予算が中心に議論された。今回の会議では、災害後の復興支援策についての詳細が報告され、新型コロナウイルス感染症影響下での住民参加型イベントの意義が再確認された。
議案第57号、地域振興費に関する補正予算案は、天ヶ瀬温泉街復興プロジェクト事業のために1,522万8,000円を計上するものであった。これに対し、議員からは早期に復興に資するためのイベント開催の必要性・緊急性が訴えられる一方で、コロナ禍における健全性への懸念も多く寄せられた。
特に、今回提案されたサマープロジェクト「天ヶ瀬温泉まつりウイーク」について、居川太城議員は、イベント開催が実施時期として適切でないとの観点から、修正減額案を提示した。彼は「新型コロナウイルスの脅威は依然として続いており、慎重な判断が求められる」と発言した。
また、髙倉貴子議員からは、事業費の積算根拠が不十分であり、十分な調整がなされていないとの指摘があり、費用対効果の観点からも再考が必要と強調された。
賛成意見では、天ヶ瀬温泉つなぐ会議の担い手となる若者たちが積極的にイベントを主催し、新たな地域活性化を図ることが期待されている。賛成派議員は「地域住民自らが主体となって復興に取り組むことが重要である」と述べた。
総務環境委員会の佐藤功委員長は「今回のプロジェクトは、被災した住民の活力を取り戻し、未来に向けたビジョンを策定する上で欠かせない」と発言し、全体的な理解を深めるように呼びかけた。
最終的に、議案は賛成少数で否決、そして原案も否決された。議会では、天ヶ瀬温泉街復興に資する地域振興について継続的な議論と支援が必要とされることが明らかとなった。