令和5年9月25日、日田市議会が開催され、さまざまな議題が取り上げられた。特に注目を集めたのは、消費税インボイス制度の実施延期を求める意見書に関する請願である。
議長の三苫誠氏は、まず出席議員が22名全員であることを確認した。その後、各委員会からの審査結果が報告されたが、その中でも消費税インボイス制度に関する請願が激しい議論を呼んだ。
請願を提出したのは日隈知重議員で、「インボイス制度が導入されることで中小企業が経済的な打撃を受ける」と強調した。彼は、制度が未登録業者に非常に厳しい影響を与え、事業の存続さえも危うくする可能性があると訴えた。特に、免税業者は新たな納税義務を負うことになり、取引先からの圧力が強まることに懸念が表明されている。
一方、反対意見も存在し、坂本茂議員は「インボイス制度の導入は透明性を高め、経理業務の効率化に寄与する」と主張した。彼はこの制度のメリットを述べ、特に正確な税額計算を可能にする点を挙げた。また、制度の導入には数年の準備期間があり、影響を受ける事業者へのサポートが充実していることを説明した。
採決の結果、請願は不採択となった。この結果に対し、賛成した議員からは「この制度は、現在の物価高騰や経済低迷に対するさらなる圧力となる」と改めて警鐘が鳴らされた。
また、議湾の中で、日田市教育委員会の教育長及び委員の任命についても議論された。市長の椋野美智子氏は、江嶋久典氏が新たな教育長に選任されることを報告し、教育行政を牽引する役割への期待が寄せられた。議員からは、新たな教育長による革新的な教育政策への期待の声が上がった。
全体として、令和5年9月定例会議は、消費税インボイス制度に関する議論を中心に、多くの重要な決議が行われた。市民の生活や経済に直結する問題が議論され、議会はその責務を果たしていることが示された。特に、教育行政の充実と地域経済の活性化に向けた具体的な対応が求められていることが浮き彫りとなった。