令和5年12月7日、日田市議会定例会が午前10時に開議された。議会では、文化財の保存と地域資源の活用をテーマにした一般質問が繰り広げられた。議員からは地元の文化財、小鹿田焼の価値を共有・継承する重要性が強調された。特に、髙倉 貴子議員は、「文化財保存計画が適切に行われなければ、地元住民の理解を得ることができない」と述べた。これに対し、教育次長の髙倉 保徳氏は、文化財保護に向けた取り組みについて詳しい経過を報告した。
次に、公共交通対策についての質問も多く取り上げられた。今井 美保議員は、「日田市では公共交通計画を策定し、現状と進捗状況を報告している」と述べた。特にデジタル技術を活用した交通支援の取り組みを評価し、今後も市の改善が期待されている。企画振興部長の中山敏章氏は、「地域の供給型移動サービスを構築し、高齢者等の移動支援を拡充する」と強調した。
また、宮崎 陽治議員は環境基本計画についても言及した。計画の基本施策「地域資源を活かすまち~水郷ひたづくりの推進~」として、三隈川の水質問題も取り上げられ、環境保全の観点からの具体的な施策の必要性が指摘された。市民環境部長の佐藤 野里子氏は、定期的な水質調査の実施について報告し、現在の水質が環境基準をクリアしていることを説明した。
さらに、災害復旧事業についても意見が交わされた。大谷 敏彰議員は災害復旧に係る国の補助制度について質問し、農地の復旧にかかる負担を軽減する取り組みの重要性を訴えた。農林振興部長の鈴木 浩美氏は、国の査定状況について回答し、「農地の復旧を早急に行うため努力している」と微調整を繰り返しながら答弁した。
最後に、空き家対策の重要性が強調された。坂本 茂議員は、空き家の管理不全が進行する中で、新たに導入された法律改正への対応を尋ね、空き家活用奨励金の効果を確認した。土木建築部長の松木 弘和氏は、空き家管理の重要性を認識し、今後も計画的な改善が必要であると述べた。この中で市は、公営住宅入居者の高齢化問題も取り上げ、入居希望者のニーズに応じた改修の意思を強調した。
今回の定例会では、文化の継承、公共交通の拡充、環境基本計画、災害復旧、空き家対策など、地域が抱える多様な課題が話し合われた。市は、これらの問題に対する市民の要望に真摯に応え、解決策を見出す必要がある。特に、地域の安心安全と持続可能な発展に向けた取り組みは、今後の重要な課題となると考えられる。