令和5年第1回日田市議会定例会が3月7日に開催され、様々な重要課題が討議された。
特に注目を浴びたのは、小児医療の現状と今後の体制についてであった。中島章二議員は、日田市の小児科医療機関の数や、医師の不足、夜間休日の医療体制について質問した。福祉保健部長の松岡政則氏は、市内の小児科医療機関は4ヶ所で、医師は5名という現状を説明した。さらに、「医師不足の解消に向けて、今後も夜間休日の医療体制を維持する努力が必要」と強調した。
続いて、教職員の働き方改革についての質問も行われた。中島議員が取り上げた働き方の実態について、教育長の三笘眞治郎氏は、教職員の休憩時間の確保が困難である現状を説明し、「業務量の縮減に向けた取組みの一環として、教職員の負担を軽減していく必要がある」と述べた。教育現場の環境改善は、教職員だけでなく、生徒たちの学習環境にも影響が大きい。
また、技能技術の継承に関する問題も浮上した。財津幹雄議員は、地域の技能継承や職業訓練の現状について質問した。市の商工観光部長は、日田地域技能士会と連携し、職業訓練の支援を進めていると述べ、技能者育成の重要性を訴えた。地域密着型の職業訓練校の存在が、若者の技能者としての育成に寄与することが期待される。
さらに、公共交通の現状についても言及がなされた。原田裕文議員は、ひたはしり号の運行状況とその利用者数について質問し、企画振興部長は、「運賃100円の実証実験後、利用者数が大幅に増加している」と説明した。特に高齢者の利用者が多いことが、今後の交通政策に影響を与える要因となると見られる。
災害や事故に備えるため、日田市では防災ラジオの無償貸与が行われているが、その利用促進が課題として残されている。市民の防災意識向上には、行政が仕掛けを増やし、地域での取り組みを強化する必要がある。
この議会では、子供の権利や地域公共交通の推進も重要な議題として取り上げられ、市民の生活向上や地域活性化に向けた具体的な施策の検討が進められている。特に、子供を真ん中にした取り組みが求められる中、今後のアクションプランの策定に期待が寄せられた。
これら一連の議論を通じ、日田市が直面する人材不足や地域の特性を踏まえた施策の重要性が再認識された。市民が安心して生活できる環境整備には、多方面からの協力と理解が必要であるという意義が強調された。