令和5年阿賀町議会3月定例会が、3月7日に開会した。町長の神田一秋氏は、施政方針の中で、昨年12月に発生した大雪による停電について言及した。特に上川地区では、長期間の停電によって、多くの住民が不便に陥ったことを報告した。神田町長は、安否確認のために職員が各世帯を訪問し、暖房器具や食料を配布するなどの対応を行ったと述べた。
この停電の教訓から、町は今後、防災対策の強化に取り組む必要がある。住民から寄せられた意見の中には、暖房のための薪ストーブ購入支援の必要性があった。薪ストーブは、停電時にも利用できるため、助成制度などの導入を検討するべきだと考えている。
さらに、情報伝達の仕組みについても、改善が必要である。特に、テレビ電話が使用できない停電時に、LINEやSNSを活用して迅速に情報提供し、住民の不安を軽減する策が求められている。こうしたデジタル化は、災害時だけでなく日常生活においても役立つため、迅速な対応が期待される。
次に、冬季観光の振興についての提案も行われた。スノーシューを活用した冬のイベントが注目されている。この簡易な設備を利用することで、住民に雪山での楽しみ方を増やし、冬の景色を楽しむ機会を提供することができる。また、冬の健康増進にもつながることから、地域への認知が深まると期待されている。
これに続き、町民からの意見を受け止める姿勢が重要だとされ、防災意識を高めるための訓練や啓発活動も進めていく必要がある。さらに、町民が小さな意見や不安を伝えるための窓口の設置が求められている。これに関しても、役場としての取り組みが重要である。特に電話やインターネットが使えない高齢者にとっては、役場への訪問が重要な手段となるため、出向くことの重要性が再確認された。
全体として、阿賀町は防災に力を入れ、観光資源を活かしつつ、町民の意見を真摯に受け止める必要がある。地域の特徴を活かした政策を進め、町民が安心して生活できる環境を整え、より良い町づくりを目指す姿勢が求められている。