令和2年阿賀町議会9月定例会議が開かれる中、給食センターの老朽化が大きな問題として取り上げられた。現状、町内の津川と鹿瀬の給食センターはそれぞれ39年、31年の歴史を持っており、設備が劣化しているため、安全で安心な給食の提供に懸念があると、神田 一秋町長が述べた。特に、調理における衛生管理基準が厳格化する中、温度管理や汚染区域と非汚染区域の明確な区分が必要との意見が出ている。議会では、今後の具体的な改善策の検討を進めることで意見が一致している。
さらに、シングルマザーの貧困についても深刻な問題が議論された。町内のひとり親世帯は約70世帯で、95%が母子世帯である。この状況に対し、教育や生活面での支援の必要性が指摘された。町は独自に子供1人につき2万円の給付金を支給し、助成金制度を拡充しているが、国の基準も不明確で、支援が行き届かない家庭が多いことが議員からの指摘として上がった。最終的に、町民の協力を集めて支援の手を強化する必要があるとの観点から意見が一致した。
過疎化の進行については、町全体で高齢化が進んでいる状況が議論され、収納の低い地域では集落の運営が困難になり、共同体の減少が懸念されている。各区長会議を通じて意識形成が図られているが、需給の実態に応じた具体的な方針が求められている。
特に、町長は集落の役員や住民の意識を喚起し、統合の可能性を探る必要があるとの考えを示し、町としても人々が集まるための取り組みが肝要であると述べた。
一方、空き家問題については、過去の調査結果から、管理不全と評価された空き家が601軒、その中で朽ち果てそうなものが84軒という具体的な数を把握していることから、町としてもこの問題に真剣に向き合うことが必要である。しかし、所有者の合意を得なければならないことが多く、対応が難しいケースもあった。とはいえ、町長はこの課題を解決するためのさらなる努力をする意向を示した。
また、有害鳥獣問題では、サルとイノシシの被害が増加していることを受けて、町として現在実施している捕獲策を見直しや強化する必要があるとされ、各農家の相談にのる姿勢を貫いていく意向が示された。イノシシに関しては様々な捕獲方法が模索されており、集落単位での協力が不可欠だとも言及された。
今後の課題として、町長は今後も集落問題や鳥獣問題などに全力で取り組むと述べ、議会からの支援やアイデア提供を求めた。