令和5年阿賀町議会において、農業や環境に関する重要な課題が取り上げられた。
まず、農業の現場は高齢化により担い手が不足し、荒廃した農地が増加しているという問題が浮き彫りになった。特に、津川地区では農地が放棄され、環境が悪化している状況が見られる。
地元の農家や新規就農者は、獣害や生産効率の悪さから苦しんでいる。この問題に対して、町は圃場整備の推進を進めているが、実施には地権者の同意が必要であり、課題は多い。また、環境保全と農業の持続可能性を両立させるためには、地域全体での協力が不可欠であると、農林課は明かしている。
次に、農水省の「みどりの食料システム戦略」に対して阿賀町は積極的に取り組んでいる。これは国際的な基準に基づき、環境への負担を軽減することを目指している。昨年、町は持続可能な農業を促進する基本的な計画を策定し、さらに有機農業への転換を推奨することで地域の活性化を図る方針を打ち出している。
また、下水汚泥やし尿汚泥の活用に関しては、公共下水道施設から発生する汚泥の処理が進められているが、焼却処理が基本となっている。将来的には、汚泥を資源として活用し、有機肥料として農業に再利用する方向性が期待されている。このサイクルが成立すれば、農業資源の地産地消にもつながる。
これら全ての問題に共通するのは、持続可能な地域づくり、農業支援、そして環境への配慮である。特に、若者が残れる町として、地域資源を最大限に活かし、次世代へつなげていくための施策が求められている。阿賀町は今後の方向性について、住民の意見を取り入れながら進めていく必要がある。