令和元年9月6日に開催された第7回新富町議会では、町の南海トラフ地震への備えや農業政策、健康長寿の推進など多くの重要課題が議論された。
南海トラフ地震について、町長の小嶋崇嗣氏は、地域防災計画に基づき、避難所の整備や津波ハザードマップの作成、訓練の実施が進められていると述べた。公共施設の高台移転の必要性については、現在の主要な公共施設は津波浸水想定区域外であるため、緊急対応が求められるが、高台移転は現時点では考えられないとの見解を示した。
農業政策について、小嶋氏は日本の食料自給率が37%と過去最低であることを憂慮し、国に対して食料安全保障の強化を求めていく必要があると強調した。また、新富町は基幹産業である農業の振興に向け、農業公社設立の準備を進めていることも報告された。
特に、ライチの生産販売について、2018年度の出荷量が約4トン、販売金額が1890万円であったことが紹介された。ライチの価格は、前年より約20%上昇しているものの、出荷量は減少している現状に対し、貯蔵や加工による収益化策を模索していく必要があると小嶋氏は述べた。
また、健康長寿の推進に向けて、教育長の別府宗光氏は、学校教育において「夢を育み、確かな力をつける教育」を目指し、地域の農業や地元産品を通じた教育の重要性を訴えた。子どもたちには、地域を愛し、支える意識を育むことが不可欠であるとされた。
最後に、政策空き家についても話が及び、町長は待機世帯の解消に向けた具体的な方策を検討中であることを強調し、町の景観や安全性向上に寄与するべく柔軟な政策を進めていく意向を示した。