令和5年第6回綾町議会定例会において、介護保険制度や生活保護、ゴミ収集、町民へのアンケート等、幅広いテーマが議論された。特に、介護保険制度については、橋本由里議員がその高額な保険料について、不安を抱える町民の声を代弁した。
橋本議員は、「国ができなければ、自治体の責任で保険料を引き下げてほしい」と訴えた。これに対し、松本俊二町長は、「介護保険料は高いとの認識があるが、制度的問題も大きい」としつつ、保険料の軽減措置についての見解を述べた。また、次期介護保険料については、低所得者への軽減策や標準掛け率の引き上げなどが検討されている。
次に目を向けられたのは、町の財政推移であった。興梠智一議員は、過去29年間での財政推移を尋ね、その厳しさを訴えた。町長は、特にふるさと納税が急激に減少している現実と、それが財政に影響を及ぼす中で、いかに持続的な財政基盤を確立するかが課題であると強調した。
一方で、環境問題にも触れられ、外山ひろ子議員は、河川の汚濁について触れ、「古賀根橋ダムの浚せつが行われるべき」とその必要性を訴えた。町長は、さらなる調査や関係機関との協力を進める意向を示し、地域の自然環境保全に努めたい考えを明らかにした。
さらに、綾らしさには「本物を誠実に追求する姿勢」が挙げられ、町がこれまで築いてきた農業や自然環境を基盤としたまちづくりの重要性が再確認された。特に、有機農業の推進や、未来の町の財政基盤を担う若手の農業従事者の育成が、長期的な課題として残っていることが指摘された。
オーガニック給食に関しては、町民の福祉向上のため、町長がその理念に積極的に取り組む考えを示した。今後、より質の高い食文化育成に向けた地域の連携を強化し、目指すべき方向性が示された。
消防団の若手団員募集では、町長は地域における消防団の役割の重要性を訴え、特に若手の地域参加が今後求められていく旨を述べた。
最後に、上野一八議員は、リハビリ施設や短期留学の取り組み需要について触れ、地域の活性化には様々な視点からの政策提案が必要であるとの認識を示した。議会では、地域の教育や社会福祉、環境に関する政策が多岐にわたり審議され、一層の地域発展を目指す姿勢が強調された。