令和2年12月10日に開催された日向市の第6回定例会では、重要な局面を迎える東郷地区の市立東郷病院についての議論が中心となった。
特に、東郷病院を無床化し新たな診療所を設立する計画には、地域住民からの反発が強く、市長の十屋幸平氏はこの状況を重く受け止めている。また、市制施行70周年と合併15周年を祝う記念行事についても言及し、市民との絆を改めて確認する機会になればと考えている。
一般質問に立った畝原幸裕議員は、この新しい診療所の建設について、その場所選定が市民の反応を無視しているのではないかと強い懸念を示した。具体的には、東郷町農産加工施設の跡地が選定されていることに対し、地域の反対意見が多数寄せられている点を指摘。市が決めたことに対する市民の不満が根強いと考えられている。
市長は、地域に住みやすい場所に医療機関を設けることが重要であるとし、それが道の駅周辺であると理解しているものの、出荷者協議会や青柳氏等からの反発があることについても考慮して、今後の方針を見直す余地があると明言した。
一方で、農畜産業の振興も取り上げられ、新型コロナウイルスの影響で農業が打撃を受けている現状を改善するための支援策についても議論が進められた。特に、進行中の鳥インフルエンザや豚熱に関して、さらなる防疫対策が必要とされ、農業の持続可能性をいかに確保するかが焦点となっている。
新しい時代における教育の在り方についても触れられ、ICT化やデュアルスクールの推進が求められる中で、地域の子供たちへの教育環境を整備する重要性が再確認された。市長はこれらのアプローチが今後の地域振興や医療提供体制に良い影響を与えることを期待している。
最後に、議会は12月11日も定例会を開催し、引き続き市長提出の議案を審議することが決定した。地域の住民に求められる医療体制の早急な改善や農畜産業の復興へ向け、今後も具体的な行動が求められる。