令和5年9月7日の門川町議会では、町民の環境意識の向上と地域資源の有効活用が大きな焦点となった。
この日、一般質問に立った神﨑千香子議員は「生ごみ堆肥化について」と題し、持続可能な社会の実現に向けた具体的な試みを提案した。特に、地域住民の農業への関与を高めるために、町民が生ごみをコンポスト化するための補助の必要性を訴えた。これに対し、町長の山室浩二氏は、現在行っている取り組みを認めつつも、補助や貸し出し制度について慎重な姿勢を示し、今後の動向を注視する意向を表明した。これまでの調査によれば、家庭からの生ごみは可燃ごみの約30%を占めているという。
さらに、議員は「環境基本計画でのアンケート結果から9割以上の町民がリサイクルを心掛けている」と述べ、町民の高い意識を強調した。町長も「環境問題は重要な課題である」としたが、具体的な方策を進めるには協力が必要であることを強調した。生ごみの堆肥化を進めるためには、まずは周知活動を通じて町民の理解を得る段階が必要だという。
一方、岩切義樹議員は「向ケ浜の現況について」を質問した。彼は、海岸の砂浜が浸食されている問題と、それに対応するための地元の取り組みを評価しつつ、県との連携を求めた。町長は、現在の管理が県に委託されていることを明らかにし、地域住民の意見を伝える意義を述べた。今後、高潮による被害防止のための具体的な対策を進める方針が示された。
特に、岩切議員は五十鈴川の土砂問題にも言及し、これを向ケ浜の砂浜再生に生かせないかと提案した。町としても、今後の流れを注視する意向を示しており、環境保全と地域資源の活用を両立させる取り組みが期待される。