令和3年12月9日に開催された定例会では、日向市の観光振興や交通弱者対策が議題にあがった。本市の観光誘客戦略や水産業の課題、そして地域公共交通の利用促進についての議論が展開された。
まず、観光振興において市長は、ポストコロナに向けての戦略が重要であると述べた。特に、日向岬や馬ヶ背の魅力を発信するため、観光資源の再構築とデジタル技術の活用が求められていることを強調した。また、観光協会と商工会議所の連携をより強化し、観光消費を促進するための意見交換が進められていると説明した。
馬ヶ背の展望台改修工事についても説明があり、来年度の完成を予定し、多様なメディアを活用したPRが計画されている。新しい観光コンテンツの導入として、電動キックボードやドローンによる体験企画が提案された。こうした取り組みにより、観光客のニーズに応え、リピーターを増やしていくことを目指す方針だ。
水産業に関しては、ヒラメを中心とした漁業振興が話題にのぼった。漁業者の高齢化が進むなか、稚魚放流や藻場の造成が求められ、地元漁協の協力を得て今後の施策が検討されている。特に、藻場の維持管理が資源の健康に寄与するとの認識が共有され、環境整備についての取り組みが強調された。
次に、交通弱者対策については、地域公共交通の利用促進がカギになるとの意見が多数示された。特に、ぷらっとバスやデマンドタクシーなどの公共交通機関を利用する上での利便性を高めていく必要性が語られ、地域の声を反映させるためのアンケート調査が行われていることが報告された。また、自動運転の実証実験など新技術の導入も視野に入れるべきだとの考えも示された。
議論では、特に観光や水産業がもたらす地域の活性化に期待が寄せられた。地域経済を支えるためには、観光・水産業が持つポテンシャルを最大限に活用することが迫られている。また、交通アクセスの改善が観光地の集客に大きく寄与することから、今後の施策に注目が集まっている。市としては、これらの課題を精査し、持続可能な地域づくりに向けた取り組みを進めることが求められる。