令和3年3月12日、日向市は定例会を開催し、市長提出議案の審議を行った。議案には第5号から第35号までの様々な市政にかかわる議題が含まれ、市民生活の向上に向けた重要な施策が話し合われた。
特に焦点となったのは日向市立東郷診療所の設置及び管理条例である。黒木金喜議員が具体的な質問を投げかけ、他の自治体における診療所の運営方針との比較を通じ、条例への明記が求められた。たとえば、「往診や訪問看護について明記できないか」との質問に対して、健康福祉部長の柏田武浩氏は、業務内容に含まれていると説明したが、黒木議員は他の自治体の規定と比較しつつ、再考を促した。
また、健康福祉部長である柏田氏は、訪問看護体制の24時間対応の必要性にも触れ、地域医療の充実を誓った。さらに、議員間の質疑を通じて、診療科目と病床数の記載についても議論が交わされ、地域住民のニーズに応える医療制度の重要性が強調された。
次の議題では、教育分野における重要施策が取り上げられ、第22号の予算案が特に注目を浴びた。この中では、放課後児童クラブ事業についての質疑が行われ、各設置クラブの役割や、事業委託料の決定基準について議論が及んだ。市長、経済部門、教育部門の連携強化に向けた施策の確立が必要であるとの意見が出されるなど、市の教育政策の充実に向けた具体的な意見交換が行われた。
また、男女共同参画推進に向けた新たな施策も提示され、市内の学生を対象としたキャリア形成支援が求められる声が上がった。特に、女性の活躍を支援することが、地域全体の活性化につながるとの認識が広がりを見せた。
最後に、今回は請願等の審議も行われ、地域の最後の声を尊重した施策展開が必要との合意が形成された。これにより市の議会運営は、地域住民の意見を反映しつつ、一層の透明性を持つ体制へと進化することが期待される。日向市の議会は今回の審議を通じ、市民に寄り添う政策形成を目指す方針を再確認した。