令和3年9月17日、日向市定例会(第5回)が開催された。大きな議題として市長提出報告や議案の審議が行われ、多くの委員が活発な意見を交わした。本会議の中で最も議論を呼んだのは、市長提出の議案第61号、特に日向市総合体育館整備事業に関連する部分である。
総務政策環境常任委員会からの報告を受け、黒木万治議員は報告の中で、コロナ禍の影響を考慮した慎重な対応を求めた。特に、体育館整備事業については、老朽化は避けがたいものであるが、現下の財政状況や市民の理解を得るためには、建設のタイミングを見直す必要があると強調した。
報告に対しては様々な反応があり、賛成意見よりも懸念の声が多く寄せられた。実際の質疑の中で、議員たちは「コロナ禍で市民が窮屈な思いをしている中で、施設整備に投資をすることに理解が得られるのか」といった懸念を表明した。これに対し、福祉部長は「施設の整備は市民生活の安心や健康を守るものでもあるため必要だ」と反論した。
さらに、やはり今回の会議の議題の一つである請願や陳情提案に関しても話が及んだ。急傾斜地域の安全対策や日向岬グリーンパークにおけるキャンプ場開設に関する陳情が提出され、それに対する市側の姿勢について議論された。これに対し黒木金喜議員は、「土地の特性や安全性をおろそかにしてはいけない」と批判した。
議会では市長提出の報告に基づく特別委員会が設置され、今後の事業進展に向けた正確な情報提供や適切な対応が求められる。議会の活発な意見交換は、市政における信頼の基であり、地域の意思を示す重要な場であることが、この日の討論を通じて再確認された。
今後の進展に期待が寄せられる中、議会はさらに検討を進め、市民のニーズに応える施策の実行が求められている。特に、厳しい財政環境下であっても持続可能な施策が必要であり、今後の議会の動きに目が離せなくなる。