令和3年3月4日、綾町役場議場において、令和3年第2回綾町議会定例会が開催された。議会では町長の所信表明が行われ、令和3年度の施策方針や予算案が示された。特に新型コロナウイルス感染症への対策や、地域振興に向けた取り組みが強調された。
町長の籾田学氏は「令和2年度は新型コロナに翻弄された年であり、町民の協力によって感染拡大を最小限に抑えた。令和3年度は、信頼回復と財政再建を最優先に、より丁寧でスピード感ある住民サービスの提供を目指す」と述べ、方向性を示した。
議会では、令和3年度の一般会計予算が54億3,800万円に設定された事が報告され、前年度比で7億5,200万円の増加が見込まれている。特に、農林水産業費や総務費が増加しており、ふるさと納税の寄付額の増加も影響しているという。青木實議員は「農業生産者への支援強化が期待される」と述べ、今後の施策への期待感を表した。
また、綾町による条例改正案の一括審議がなされた。議案第2号の「綾町行政不服審査会条例等の一部を改正する条例」、及び第5号の「綾町廃棄物の減量及び適正処理に関する条例の一部を改正する条例」については、住民からの意見も踏まえつつ、各種条例の名称変更や条文整理が行われることが確認された。議案第4号から第28号に至るまでの多くの改正についても、十分な審議を行ってほしいとの指摘があり、慎重な対応が求められる。
その他、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計の予算案も示され、財政支援が続けられる見通しであることが報告された。特に、国民健康保険特別会計は11億8,500万円規模で、医療費の伸びと高齢化に伴う受診者の増加が見込まれているため、持続可能な医療制度に向けた十分な準備が求められるとされた。