令和2年第3回土佐市議会定例会が、2020年9月15日に開催された。
今回の会議では、宇佐地区公共施設高台移転事業や遊休地の管理についての議論が活発に行われた。特に宇佐地区における公共施設の高台移転事業に関して、多くの議員から意見が寄せられた。
野村昌枝氏は「宇佐地区公共施設高台移転事業の現状と今後の取り組みについて」質問を行い、進捗状況や予算の内訳について詳細に報告を求めた。防災対策課長の矢野康孝氏は、現状として測量設計業務や補償調査業務が進行中であり、用地買収の完了した市道橋田灘線の新設工事が行われていると述べ、さらに今年度内に造成計画の修正に着手する計画も説明した。
また、予算については、すでに執行されている約3億3,000万円に加え、造成完了までの必要経費として約20億円が見込まれているとのこと。これに関して市長の板原啓文氏は、建設費の試算は今後の財政状況に応じることが必要であり、現段階では想定できないと回答した。
続いて、遊休地管理に関する議論も行われた。野村氏は「雑草駆除等の要望に対してどのような対応がなされているか」と質問。農業委員会事務局長の松岡章彦氏は、高齢化に伴い遊休地が増加し、苦情が寄せられる事例について言及した。市は所有者に対して草刈り等の適正管理をお願いしているものの、指導に応じない個別のケースが問題として残っていると述べた。
流域治水についての討論も行われ、日下川新規放水路および宇治川排水機場ポンプ増設による下流域への影響について、伊藤幸裕参事は具体的な数値を示しながら説明した。洪水時に下流域での水位上昇が約3センチに留まる可能性が示されたが、野村氏はこれに対してさらなる詳細な情報提供を求めた。市長は引き続き堤防強化や河川整備の重要性について強調し、自然災害から市民の生命と財産を守るために努める意向を示した。
最終的には、議案第1号から第16号まで、報告第1号及び第2号等の諸議案が議題として付託され、次回会議の日程が告知された。議会は午前11時11分に散会した。