令和2年3月の二戸市議会定例会において、藤原淳市長は、人口減少と少子高齢化の課題に取り組む姿勢を示し、これを市政運営の核心に据える意向を強調した。
市長は、人口減少に伴う税収の減少がもたらす影響について認識しており、新たな施策の必要性を訴えた。特に、18歳から22歳の若者の流出が著しく、その防止が急務であると述べた。
さらに、若い世代に定住してもらうための施策には、地方創生や地域産業支援など多角的なアプローチが必要であり、特に漆産業を通じた振興策に注力することを表明した。市は漆の生産地として全国的に知られ、その振興によって雇用創出を図る。
具体的な取組として、天台寺周辺の環境整備やイベントの企画など、市外からの関心を高める努力を続けていく方針を示した。特に、ラジオdeウォーキング実行委員会の発足を通じて、地域の魅力を広く発信し、文化と歴史を体感してもらう機会を増やすとした。
医療体制については、浄法寺地区の常勤医師の確保が課題であり、市長は医師会との連携を引き続き強化し、地域医療の維持向上を目指す考えを明言した。コミュニティバスの運行時間を診療時間に合わせるとともに、来年度への改善も検討されるが、地域住民からの要望に敏感に対応していく姿勢を確認した。
また、市の政策評価に関しても、市民の期待と実態の乖離があることをお認知し、改善に向けた具体的な検討を約束した。特に、貧困対策として子ども・子育て支援の充実を図り、地域と市が一体となり、課題解決を目指していくことが求められる。
市長は、「地域の活力向上は子どもや若者、女性が関与することが不可欠」とし、活動の活性化を強調した。市民の皆さんが自らの地域を誇りに思い、主体的に活動する環境を整えることで、未来を見据えた持続可能なまちづくりを進めていく意向を示した。
しかし、多くの施策が実行に移されていない現状を踏まえ、さらなる検討と迅速な実施が必要であるとも指摘する声もあり、市長の施策が実を結ぶまでの努力が求められるとの見方もある。