令和3年3月に開かれた小浜市議会定例会では、会期の決定や各議案の審議が行われた。
議長、今井伸治氏は開会を告げ、最初に会期が決定された。今期の会期は2月24日から3月23日までの28日間とし、議員全員から異議なしの確認が得られた。
次に、市長、松崎晃治氏は所信表明の中で、引き続き新型コロナウイルス感染症対策を重要課題と位置付けることを強調した。感染者数の増加やクラスターの発生について言及し、高齢者を中心とした感染拡大防止策の重要性を語った。特にワクチン接種に関して、市は新たに設置した対策チームを通じて迅速かつ円滑な接種を目指している。
また、松崎市長は小浜市が3月に市制施行70周年を迎えることを記念し、北陸新幹線の開業による地域振興や経済回復にも力を注ぐ意向を示した。新幹線の開業がもたらす機会を「夢と希望あふれるまちの姿へ」と表現し、協働による地域力向上を目指していくと述べた。
続いて、議案第1号として令和2年度小浜市一般会計補正予算(第14号)が承認された。新型コロナウイルスのワクチン接種体制の整備や市民へのテイクアウト特別キャンペーンが主な内容とされ、合計で5,128万4,000円の追加予算が組まれた。これに加えて、第15号の議案も同様の理由で可決され、歳入歳出それぞれに2億7,430万7,000円の追加が決まった。
さらに、松崎市長は絕えすることのない新型コロナに伴う諸問題について懸念を示し、経済支援の必要性についても触れたことも重要なポイントである。補正予算の中には福祉関連の支出が多く含まれており、特に高齢者福祉と介護保険事業は引き続き特別な注目が必要である。
また、市長は進行中の第6次小浜市総合計画についても言及し、地域資源を大切にしながら、持続可能な社会を目指すための取り組みを進めるという方針を表明した。この計画の策定には市民の意見も反映されており、開かれた議会を目指す姿勢が示されている。
令和3年度に向けて、さらなる施策の充実、地域振興への強い意欲が印象に残る議論であった。
定例会ではまた、特別委員会による調査報告も行われ、委員長の富永芳夫氏が、「早期の条例化と市民への情報提供の必要性を感じている」と発言。議会として市民との連携を強化することで、円滑な施策の進展が期待される。