四国中央市議会において、令和元年12月定例会が開かれ、重要な議題が多く取り扱われた。特に、四国中央市の医療体制の在り方についての議論が注目を集めた。
中でも、四国中央病院の移転問題が大きな焦点となった。市長の篠原 実氏は、三島医療センター跡地に新たな中核病院を設立する方針を強調し、その必要性について説明を行った。
しかし、議員の谷 國光氏をはじめとする反対意見が強い。谷氏は「現在の川之江地域に根付いた病院を移転することの意味は何か」と質問し、地域住民に対する説明責任が不十分であると指摘した。さらに、液状化現象や高潮のリスクについても懸念を表明し、移転先の安全性に疑問が投げかけられた。
谷氏の質問の中で、現在地が安全でアクセスも良好であることを挙げ、「四国中央病院は最適地にある」と訴えた。市長も液状化と高潮のリスクについて触れつつ、移転は避けられない決断であるとの立場を崩さない。
また、教育委員会に対する信頼性が問われる場面もあった。教育長の東 誠氏は、中学校での障害事故について過去の発言を踏まえたうえで、適切な法的対応がなされていると説明した。
一方、議員からの批判もあり、教育委員会の対応が被害者や保護者の信頼を損なう結果になったことが指摘された。教育委員会内部での情報共有や意思統一が図られずにいる点も問題視され、当事者の思いに寄り添う姿勢が求められることになった。
最後に、議会は提出された議案の審議を進め、給与に関する条例改正など複数の議案が協議された。市としては持続可能な財政運営へ向けての努力が求められているが、二重の負担が市民にのしかかることへの懸念を抱える声も挙がる中で、議論は続いている。市民の信頼を損なわない施策の実行が期待される。