令和6年3月7日に開催された四国中央市議会定例会では、自治体の住民サービス向上に向けたさまざまな議題が取り上げられた。
初めに、眞鍋幹雄議員が公共交通システムに関して質問を行った。現在の地域公共交通について、運行の再編やデマンドタクシーの導入状況について確認を求め、「運転免許証を返納した高齢者にとっての移動手段を確保することが重要」と述べた。
これに対し、大西信也経済部長は、「公共交通政策のマスタープランの策定やデマンドタクシーの利用促進を目指し、現時点での課題を検討している」と回答した。さらに、眞鍋議員は、地域住民の利便性向上に向けたコミュニティバスの導入を提案したが、篠原実市長は「民間運行業者の厳しい財政状況を考慮する必要がある」と述べた。
次に、魅力づくりに関する質問に移り、霧の森や道の駅についての地域活性化の取り組みが紹介された。眞鍋議員は、高速道路利用者への休憩所や災害時の避難所としての役割を果たす道の駅の設置の必要性を取り上げた。これに対し、高橋誠副市長は、「道の駅の設置には地域のニーズを把握する必要がある」と強調した。
また、五葉松に関する議論も交わされた。眞鍋議員は、伝統文化や地域ニーズに即した支援活動として、五葉松盆栽を地域ブランドに育て上げる重要性を訴えた。市長は、「五葉松を地域の宝として更に広めていく必要がある」と発言し、若者の協力を促した。
防災の取り組みでは、能登半島地震の犠牲者への哀悼の意が表明され、藤田泰総務部長は、「要支援者の情報共有を進め、災害時の対応力向上を図る」と説明した。また、健康への意識を高めるため、プレコンセプションケアの導入も重要視され、市民の健康づくりに向けた出前講座の実施が計画された。
このように、各議員からは地域公共交通や地域活性化、災害対策等多岐にわたる質問があり、それに対する市の各部長からの意見が一体となった形で提出された。今後の施策が、市民にとって実効性のあるものになることを期待する。