令和5年12月12日に開催された北秋田市議会定例会では、様々な重要な議題が取り上げられた。特に注目されたのは、令和6年度の予算規模と主要な事業に関する説明である。
市長の津谷永光氏は、予算編成にあたり、地方交付税やその他の支援が減少する中で、特に低所得世帯を対象とした支援策の充実が必要であると強調した。その中には、家庭向けの灯油助成金や児童福祉施策、介護関連の支援も含まれている。市長は、「物価高騰の影響を鑑み、特に生活支援を行うことが、地域住民の安心感につながる」と述べた。
また、出張所の開所時間短縮についても触れられた。前田、大阿仁出張所は、開所時間を午前9時から午後3時に短縮する。ただし、事前に連絡があれば、従来の時間帯でも対応可能とのことだ。この取り組みについては、一部議員から「サービスの後退ではないか」との懸念が示され、市民生活部長は「職員が地域に出向く機会を増やし、サービスの向上に努める」と答えた。
さらに、熊対策についても多くの議員から質問が相次いだ。特に、今年度は多くの熊が人里に出没し、15件の人身被害が報告された。市は捕獲活動を強化し、今年の捕獲数は324頭に達したと説明されたが、今後も地域住民に対して注意喚起し、捕獲だけでなく、出没を防ぐための環境整備が求められることを再確認した。市長は、「捕獲だけではなく、環境整備や住民の意識向上が必要だ」と指摘した。
最後に、ジビエ加工施設の誘致が重要視されている。国からの支援も得られる可能性があり、熊肉の処理施設も含め、地域資源を有効活用する方向性が示された。市としても、捕獲した野生鳥獣を加工し、地域の特産品として活用できる方策を検討している。