令和6年6月10日の能代市議会定例会では、旧仁鮒小学校の解体工事に関する質問が重要なトピックとなった。議員である小野立氏は、専門家による文化財としての価値についての意見に言及し、解体を急ぐ必要はないと強調した。彼は、文化財としての価値を見極めるための再調査を求め、その際には地域住民の意見を尊重すべきであると述べた。市長は、解体に向けたプロセスに触れ、現在の決定を尊重する立場をとり、文化財に関する具体的な調査は行わない考えを示した。
また、自衛隊との関わりについても議論された。相場未来子議員は、能代港での自衛隊の参加に不安を表明し、民間利用を優先する側面があることを指摘した。市長は、自衛隊の参加について、商工業の発展として位置づけ、今後も同様のイベントに自衛隊が参加することを支持する旨を述べた。
学校給食については、相場議員が全児童生徒への無償化実施の必要性を訴え、助成金による支援について議論した。市長は、現在の財政状況では無償化は難しいが、子育て支援の全体的な充実を目指すべきだと回答した。このように、市は多様な意見と財政的な制約を考慮しながら、地域のニーズに応えていく姿勢を示している。
さらに、カスタマーハラスメントへの対応策も話題に上り、市職員の相談体制について説明があった。市は職員のハラスメント被害を防ぐためのルールを整備し、相談窓口を設けることで職場環境の改善に努めている。今後の取り組みとしては、名札の仕様変更や、ハラスメント対策の強化が挙げられた。
能代市では、多岐にわたる問題について議論が進行中であるが、それぞれの課題に対して市がどのように取り組んで行くのか、市民の期待に応えていくことが求められる。