令和5年12月4日に開催された能代市議会定例会では、様々な議題が取り上げられた。
議題の中でも特に注目を集めたのは、被災時の温泉施設無料開放の提案である。今年7月の大雨で多くの住民が浸水被害を受け、それに伴い災害ボランティアも活動した。鍋谷暁議員は、温泉施設を被災者やボランティアに無料開放する考えについて市長に質問した。市長の齊藤滋宣氏は、特に住宅の浸水被害があった際、温泉施設の無料開放について関係者と相談しながら進める方針を示した。これは市民のニーズを反映した柔軟な対応と評価される。
次に、市民プラザ事業に関する質問があった。鍋谷議員は、市民プラザが市民にとって重要な交流の場であることから、令和6年度末に廃止される計画に疑問を呈した。市長は、中心市街地活性化推進の観点から、民間との連携を強化しつつ、市民プラザの機能を再構築する必要があるとの見解を述べた。この点では市民の理解を得ることが難しそうであり、今後の対応が注視される。
大型鯨の化石発見については、教育長の高橋誠也氏が発言した。今後、発掘された化石に関するイベントや展示を信州大学や福井県立恐竜博物館と共同で実施する考えはないかとの提案に対し、教育部門では研究結果がまとまった段階で実現可能性を検討するとのコメントがあった。
また、台湾とのチャーター便就航再開についても議論された。この便の運航は、インバウンド需要の獲得に期待を寄せている。市長は、この便が地域経済に与える効果を踏まえ、さまざまな施策を展開していく意向を示した。
最後に言及された洋上風力発電の視察については、これからの観光資源として期待され、視察者が多く訪れている。市長は、洋上風力や観光資源の組み合わせによる新たな観光モデルの構築について意欲を示し、地域経済の活性化につなげていく考えを明らかにした。
以上のように、能代市議会は市民の生活に直結する様々な課題に取り組んでおり、地域の未来に向けた重要な決定を行っている。