常滑市の令和4年第3回定例会では、防災や地域活性化、文化芸術振興に関する重要な議題が多数取り上げられた。特に大規模災害発生時の備えや、ｅスポーツによる地域振興、そして国際芸術祭に合わせた施策が議論され、今後の施策に大きな影響を与えることが期待されている。
最初に議論の的となったのが「大規模災害発生時の防災」についてである。坂本直幸議員は、災害対策として行政の危機管理や職員の役割を問うと、成田晃久防災危機管理監は、「職員の参集方法や役割分担、訓練について確立している」としつつ、年々進化する災害に対応するための柔軟性を強調した。特に災害時の情報伝達手段や仮設住宅の整備について、多層的な戦略を必要とするとの意見が多く挙がった。
続いて、伊藤直議員の質問である「ｅスポーツで地域活性化」に焦点が当てられた。伊藤議員は、常滑市での過去の取り組みについて言及し、当地でのｅスポーツの潜在能力が高いと述べた。教育委員会は全国の動向を注視する中、リクルートによるＰＲ施策や地域イベントの活用を通じて、市民の関心を高め、地域活性化に寄与することを目指している。
また、「とこなめ陶の森資料館の現状」や「職員の県への派遣」に関する質問も行われた。特に陶の森資料館では、リニューアル後の来館者数が微増しており、今後の広報活動やＰＲ戦略が期待される。さらに、議会では標記の施設が観光地として機能することが重要視され、さらなる訪問者を呼び込むための施策が求められた。
国際芸術祭あいち2022と同時開催されている「とこなめ芸術祭2022」による文化芸術振興も話題に上がった。市では、県内外からのアーティストによる作品群を地域資源として活用する計画に期待を寄せている。此の中、観光協会などの連携を強化し、さらなる誘客を図る方針が示された。
最後に、井上恭子議員が課題にした、子どもの声を聴いた施策についての提言も耳を傾けられるべき重要な要素とされた。市が教育の現場における意見を如何に吸収し、実際の施策に繋げるかが、今後の進展を左右することとなる。