令和５年第１回常滑市議会定例会が開催された。
今回の定例会では、令和５年度の各種予算案や条例改正の議案について審議が行われた。議案第１号の「令和５年度常滑市一般会計予算」では、賛成多数で原案が可決された。この予算は市民生活や経済活動に深く関わる内容であるため，多くの議員から活発な意見が交わされた。
特に、議員の西本真樹氏は予算案に対する反対の意見を強調し、「予算の使い方が大企業を優遇する形になっている」と述べた。彼は、中小企業や市民への支援が不十分だと指摘し、具体例を挙げて問題を提起した。また、翌年の新型コロナウイルスの影響を踏まえた市民の生活実態も強調した。
西本氏はさらに、後期高齢者医療特別会計についても言及した。高齢者医療の逼迫した運営状況を示し、「被保険者の増加が見込まれる中で、社会保障制度の見直しが必要」と主張した。
また、議案第16号として上程された「常滑市立児童館の設置及び管理に関する条例の一部改正」についても、西本氏は異論を唱え、場所の移転による影響を警告した。市の子育て支援の重大な見直しが求められる点を挙げた。児童館の機能が減少することは、地域社会にとっても懸念事項であるとの認識を持ち続ける必要がある。
その一方で、議案第22号、すなわち財産の取得の変更についても審議され、全員異議なく可決された。これは消防車両の製作に関連する内容であり、納入の遅延に合わせて議会の承認を得る必要があった。
議会の活動は新市庁舎への移行後も行われ、議会活性化推進特別委員会は「効率化や情報共有の促進」を目指す会議を開催してきた。委員長の成田勝之氏による報告を受け、議会の運営をより透明にしていく重要性を再認識する機会となった。
今後も常滑市は多くの課題に直面する中、議会が地域のニーズに向き合った施策を進められるかが注目される。