常滑市の令和3年6月定例会において、様々な議題が議論された。特に、新型コロナワクチン接種と新たな地域共生社会実現に向けた取組が重要な焦点となった。
まず、新型コロナワクチン接種について、加藤代史子議員は高齢者施設入所者への接種と集団接種の進行状況に言及した。福祉部長の中野旬三氏は、既に2867人への接種を完了し、約80%の予約状況であると報告した。また、移動困難な高齢者へも特別な配慮を行っているとのことだった。接種に際し、コールセンターの混雑や予約の難しさが課題として挙げられており、地域からの要望に応える必要性が強調された。
次に、地域共生社会に関連して、重層的支援体制の整備が求められる。加藤議員は8050問題やダブルケアの現状を指摘し、福祉部長は新たな支援体制の必要性を認識していると応じた。特に、国及び自治体が協力して包括的な支援を行う重要性が強調され、地域のつながりの重要性が再確認された。
一方、常滑市立図書館の存続についても議論された。加藤久豊議員は、市内の図書館機能のニーズとともに、新たな施設の場所をイオンモール常滑内に設置する提案を行った。教育部長の関公司氏は、その設置可能性を検討する意向を示したが、具体的な条件については調査が必要だと述べた。
また、下水道事業について、未接続地域の課題が浮き彫りになり、企業会計への移行に伴う経営状態の明確化も議題に上った。これにより、流動比率や自己資本比率の低下が懸念され、今後、持続可能な下水道経営のための対策が求められる。
市長の伊藤辰矢氏は、これらの回答に対し、市民満足度の向上を目指し、子育てや高齢者支援の強化等と連動させて取り組んでいく決意を示した。各議員の鋭い指摘と市の施策が、常滑市における今後の住民福祉の向上に寄与することが期待される。