令和2年3月、常滑市議会は定例会を開催し、市長伊藤辰矢氏が施政方針を示した。
市長は、施政運営の柱として「安全」「安心」「成長」の3つを強調し、これらを基に令和2年度の予算案を提案した。特に、市民の生命と財産を守るための安全確保に重点を置く考えを示した。この施政方針に対し、議員からの代表質問もあった。
常翔会の伊藤史郎議員は、市長の施政方針に対し一定の評価をしつつも、今後の市政運営について明確な方針を問うた。市長は、まちの成長エンジンとしての中部国際空港の早期滑走路2本目建設の必要性を訴え、地域人口の増加策や、観光施策の充実についても触れた。また、新型コロナウイルスに関する対策や市民への情報提供の重要性についても言及した。
一方、新風クラブの井上恭子議員は、市政運営において市民協働の重要性を強調した。市民に対して必要な情報提供が不十分であるとの指摘を行うと共に、職員の意識改革、人材育成を問う姿勢を示した。市長は、情報公開の重要性を認識しながらも、法律に基づいた適切な公開をお約束した。井上議員は、特に食の安全や環境問題にも言及し、行動を求めた。
市民の健康を気遣う声が多く上がる中、施政方針には不妊治療センター設立の計画も含まれているが、議員からは財政的な懸念が示された。伊藤市長は慎重に賢明な経営を進める意向を表明し、地域医療への影響についても留意する姿勢を見せた。
議会では、令和2年度の予算案についても議論が行なわれ、一般会計の予算規模は260億9,000万円となり、過去最高を更新したとの報告があった。市長はこれを踏まえ、引き続き市民の安全や安心を重視しつつ、成長に向けた取り組みを進めると述べた。