令和4年6月10日に開催された常滑市議会の定例会では、さまざまなテーマに関する質問と答弁が行われた。
特に観光戦略や食育の重要性が強調される中、井上恭子議員が常滑市の観光戦略プラン2022について質問した。彼女は、中部国際空港やりんくう地域から市街地への訪問を促進し、ブランド力向上と観光消費の増加に寄与することを求めた。経済部長の亀岡賢一郎氏は、外国人観光客を招くための環境整備が進行中であると述べ、特に急須を使ったお茶入れ体験を外国人向けに実施する計画も紹介した。このような活動は、日本文化を理解する良い機会を提供し、地域の魅力を高める効果が期待される。
また、食育の重要性についても議論があり、井上議員はアトピーや発達障害の増加を指摘し、オーガニック農業の推進や食育の活動についても言及した。教育部長の安藤哲成氏は、特別支援学級の児童生徒数の増加傾向や、様々な食育プログラムの実施を報告した。特に、地域の農家と協力しながら教育プログラムを展開することの重要性や、地域全体での取り組みを強調した。
さらに、帯状疱疹ワクチンの助成について質問があり、福祉部長の中野旬三氏は、帯状疱疹ワクチンの接種率や効果について説明した。彼は国の動向を注視しながら、助成制度の創設に向けての検討も行うとの考えを示した。特に、接種後の神経痛の予防効果は高いとされており、助成制度の必要性が強調された。
コミュニティ・スクールについても重要な議題であり、教育委員会からは、地域との連携を深めた学校運営の必要性が述べられた。各学校の特徴を生かし、地域との関係を強化することが求められている。特に新たに赴任した教職員が地域とどのように関わるかが大きな課題として浮上した。
最後に渡邉十三香議員は本市の図書館の現状と今後について質問し、図書館の利用の現状や、今後のイベント開催計画について言及した。特に、コロナ禍での図書館利用の変化や、来館者を増やす施策について意見が交わされた。教育長は、地域に根ざした図書館の役割や、図書館を通じた市民の交流の重要性について触れ、今後も積極的な利用促進に努めていく意向を示した。
このように、今回の常滑市議会では、観光、食育、ワクチン、教育、図書館と多岐にわたる議題が扱われ、市民の生活向上に向けた提言が行われた。議員の熱心な質問に対し、執行部の的確な回答もあり、市民への具体的な施策の展開が期待される。