令和2年3月23日に開催された阿久比町議会第1回定例会において、議員による緊急質問が行われた。質問は、渡辺功議員が先に行ったもので、町税のコンビニ収納開始についての広報に関する問題であった。渡辺議員は、議会審議前に広報に掲載されたことを「議会軽視」と指摘した。これに対し、総務部長の大久保英俊氏は、「過去に何度も町議に説明したが、反対意見は受けていない」と応じた。両者のやり取りは、議会での事前説明や住民サービス向上に向けた意見の食い違いが鮮明になった。
また、議案の質疑において、阿久比町行政手続における個人番号の利用に関する条例の改正について、文教厚生委員長の山本恭久議員の報告があった。これについては、委員会での質疑もなく、賛成多数で可決された。他にも条例改正の議案が複数上程され、ほとんどが委員長報告の通り可決するに至った。
議案第4号については、議員報酬の増額が議論を呼んだ。土木建設委員長の大村文俊議員が報告した内容では、近隣市町と比較して報酬水準が相応かという質問が多く寄せられたが情報の不透明感が残った結果、多数決により原案通りが可決された。
さらに、 町道矢高横川線に関する請願については、地元住民からの強い要望を受けたものであり、信号機設置の要請が行われた。しかし、議会では慎重な検討が求められ、最終的には不採択に至った。これに対し、賛成意見が多かった一方で、反対意見も分かれ、様々な観点から議論が交わされた。
教育長の任命についても承認があり、議会では今後の施策として新型コロナウイルス対策を強化すべきとの意見書が提出され、全員一致で採択された。全体を通じて、予算編成の際の透明性や市民への情報開示の必要性が強調された会議であった。