阿久比町議会は令和6年3月22日、第1回定例会を開き、各種議案に関する審議を行った。
中でも、議案第2号において、阿久比町行政手続における特定の個人を識別する番号の利用に関する条例の一部改正が可決された。文教厚生委員長の都築清子氏は、否定的な意見も交え、医療保険とマイナンバーカードの関連性について質疑を行った。
新美加寿奈議員は反対討論を行い、マイナンバーカード保有率の全国的な遅れを指摘。特に、人口の20%以上が未取得であることや、保険証廃止後に健康保険証の役割が消えることを問題視した。これに対し、賛成討論はなく、討論が終結した後、可決に至った。「この条例の施行が現実的であり、多様な社会を実現できるのかという点では今後の課題が残る」と指摘される場面もあった。
続いて、議案第3号では阿久比町会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例が可決された。
総務建設委員長の竹内卓美氏は、賛成の立場からこの改正の必要性を説明した。質問、討論はなく、全会一致で可決された。
さらに、議案第7号では国民健康保険税条例の改正が含まれている。都築文教厚生委員長は、保険料の増額について説明し、対象世帯数が13世帯と限定的であることから増税に反対する意見があった。新美加寿奈議員は反対し、この決定が住民の生活を圧迫する可能性を懸念した。
また、議案第8号、阿久比町立保育所設置及び管理条例に関する改正は可決され、今後の幼児教育環境の改善が期待される。その他、各種条例の改正が行われ、議案第23号の令和6年度一般会計予算は総額106億9,200万円となり、前年対比3.8%増で過去最大の規模に達した。
町長は、これに対し「夢ある未来へのまちづくりを実現するために」との述べた。町の施策としては、子育て、教育分野の充実や、防災対策にも重点が置かれている。
阿久比町議会は今回の議会において、多くの重要議案を取り扱い、市民生活の向上を図る施策を進めていることが示された。