令和2年3月5日、阿久比町議会第1回定例会が開催された。主要な議題として、新美三喜雄議員が令和元年度における第5次総合計画の各政策の歳出配分やその成果について質問を行った。特に、健康・福祉、産業政策の具体的な実施状況が焦点に取り上げられた。
新美議員は、「今後増加する高齢者に対する政策はどのようになっているか」と質し、行政の具体的な対応を求めた。これに対し、民生部長の蟹江信裕氏は、予算等の限られた中で老人福祉事業を推進していると述べ、敬老祝い金や在宅福祉サービスの継続実施を強調した。
また、新美議員が「特に活力ある産業のまちづくりとして何が進められているのか」と続けた際、農業政策については建設経済部長の伴利郎氏が答弁を行った。昨年度の補助金や土地改良事業についても説明があり、特に地域振興のための支援体制の強化が必要との意見が示された。
町長の竹内啓二氏は、「新型コロナウイルスの影響で危機感を強めています」と報告し、町民への具体的な感染対策を呼びかけた。町の行政理念として、住民本位の視点が大切であると訴え、持続可能な社会の実現を目指すSDGsの導入の必要性にも言及した。
この日程の中で、議会の中では町道矢高横川線への信号設置問題が取り上げられ、市民アンケートを受けた請願が提出された。この請願の有効性について、建設経済部長の伴利郎氏が過去の事例を挙げながら説明を行い、事実に基づかない情報が流布されている懸念が強調された。このような情報に基づく請願が町の決定に影響を及ぼすことに疑問が示された。
また、保育士不足の問題についても新美議員が取り上げ、竹内町長は「今後の採用方針を見直していく必要がある」と答えた。新年度からの取り組みや財政面での厳しさに加え、教育、福祉、医療のサービス質が求められる中で、どのように持続可能な予算編成を行うかが今後の大きな課題となる。