令和2年3月6日、阿久比町議会では定例会が開催された。
新型コロナウイルス感染症に関する当然の懸念が強まる中で、町長の竹内啓二氏が感染防止対策を報告した。屋外施設の使用禁止を決定したことが発表され、使用禁止の対象には、スポーツ施設や公民館が含まれるとされた。他町の状況を考慮し、感染防止に向けた対応について検討していく考えを示した。
一方、虫供養の継続に関して、山本恭久議員(黎生の会)は「虫供養行事が800年以上も続いてきたが、継承が危ぶまれる」と強調した。特に、昨年12月に高岡地区が虫供養行事の参加を辞退したことは、地域の伝統行事にとって大きな影響があるとして、行政の支援が必要だと訴えた。教育部長の田中清高氏も「保存会12地区の協力が重要」と応じた。
療育支援体制については、町内に設置された児童発達支援事業所「てくてく」が、昨年10月に開所したことで、療育支援の充実が図られているという。利用児童は早期に適切な療育を受けることができるようになり、今後の支援体制拡充が期待されるとされた。山本議員は、支援体制の改善に向けて、個別プランの策定や家庭との関わりが重要であるとの意見を述べた。
さらに、虫供養の運営課題に対しても議論が展開され、各地区間の役割分担や人材の確保、資金面での課題が多数指摘された。田中教育部長は「運営の支援体制の構築が必要だ」とし、具体的な支援内容についても言及した。
最後に、全体の見通しとして新型コロナウイルスの影響を受けた日常生活でのポイントを確認しつつ、伝統や地域の文化保存に向けた意識の重要性が強調された。議会では、これらの問題に対する今後の進展を見守りつつ、地域社会全体で文化の継承に努める姿勢が伺えた。