令和5年3月9日、阿久比町議会定例会では、一般質問が行われ、平和や子育て、高齢者の福祉に関する多くの重要な問題について議論された。
特に注目すべきは「平和都市宣言」に関する質疑であり、3番の澤田道孝議員が田中清高町長に対し、宣言の具体的内容を尋ねた。
澤田議員は、ウクライナ危機の影響や世界的な平和の重要性を強調し、今回の宣言がどのように町民と世界に対するメッセージとなるのかに関心を寄せた。田中町長は、町制施行70周年の記念事業として、平和都市宣言を行う意義を確認し、11月の文化の日に記念式典を計画していることを明言した。
町長は、平和都市宣言が誰もが望む平和で安全な生活の実現へ向けた決意を表明するものであると述べた。さらに、パブリックコメントを通じて町民の意見を反映させる意向も示した。
ただし、議会の理解が得られなければ進められないという点について、澤田議員は懸念を示し、町長の決断力に疑問を投げかけた。町長は、平和宣言は町民の意思に基づくものであるとし、双方の意見を重視する姿勢を見せた。
次に行われた新美三喜雄議員の質問は、子育て支援及び高齢者介護施設に関するものでした。新美議員は「夢ある阿久比町」の実現に向けた町政の課題を挙げ、具体的な施策やコミュニティ意識の育成について意見を開示した。特に子育て支援については、昨今の出生数減少を踏まえた支援策の必要性を訴え、町長に対し具体的な対策を求めた。
さらに、高齢者介護についても待機者が多い現状を指摘し、町としての福祉政策のさらなる充実が求められると発言した。その中で、町内の特別養護老人ホームには待機者が存在することや、高齢者向けの新たな介護サービスの必要性を課題として提起した。
田中町長は、これらの意見を真摯に受け止め、今後の施策に反映させていく意欲を示した。一方で、新美議員は町の柔軟な対応を求める立場を崩さなかった。全体として、阿久比町議会は、町の将来に向けた重要な決断をつくるための一歩を踏み出したといえる。今後の実行可能な施策の展開に注目が集まる。