令和2年12月17日、甲斐市議会第4回定例会が開催され、主に市政に関する一般質問が行われた。
加藤敬徳議員が提起した甲斐市バイオマス産業都市構想については、事業運営を予定していた日立造船株式会社が発電計画から撤退したことが伝えられた。保坂市長は、この撤退背景には県内の林業事業者の倒産や燃料供給の困難があったことを示し、今後の継承事業者も同規模での発電を計画中と説明した。バイオマス発電は、森林整備による残材利用を促進することが望まれているが、燃料調達の持続性が重要な課題として浮上している。
次に、長谷部集議員がインフラのデジタル化を推進する「スマート自治体への転換」について問いかけた。市長は、全国で約170の自治体がRPAを利用している事例を挙げ、甲斐市でも若手職員を中心にプロジェクトチームを設立し、AI技術の導入などに取り組み始めていると答えた。市政のさらなる効率化と市民サービス向上に向けた議論が進められることが期待されている。
その後、谷口和男議員が尋ねた介護の充実と保険料の軽減については、本年度の保険料の引き下げが検討されていることが報告された。また、高齢者施設の整備計画も言及され、今後のアンケート調査を通じて市民の意見を反映する方針が示された。
続いて、上水道事業の公営化についても触れ、高度な災害対策が求められる中、基幹管路の耐震化工事の進捗について市長が説明した。83%の進捗率に留まるなか、速やかな完了を目指すとの見解が示された。
最後に、通学路の安全対策について議論が交わされた。教育長は、スクールゾーンの設定や交通安全の啓発、指導員の活動について詳述し、児童の安全を確保するための努力を続けていると述べた。特に、登校時の指導や不審者への対策が重要視され、今後とも地域住民との協力が必要であるとの認識が示された。
今回の定例会では、甲斐市の未来の課題に対する多様な意見が交わされ、地域社会全体の安全と持続可能性に向けた姿勢が強調される場となった。