令和元年9月25日、北杜市議会は定例会を開催し、様々な市政課題に関する質問が行われた。特に注目を集めたのが、指定管理者制度の運用状況や新地域公共交通計画、さらに健康寿命の延伸を図るためのフレイル予防策といった地域に密着したテーマであった。
指定管理者制度においては、地域住民サービスの質の向上や経費削減が狙いだが、課題も残されている。栗谷真吾議員は、監査委員によるチェック体制の不備や、「道の駅はくしゅう」の管理運営状況に言及した。特に、継続的な監視と評価が求められている中で、利用組合の機能が不全に陥ったことが要因であるとし、今後の改善を強く訴えた。これに対し、上村監査委員事務局長は、納入金が期限内に支払われたため指摘事項には該当しないとの見解を示した。
新地域公共交通についての質問では、次年度からの運行開始に向けて、バス利用のニーズに応えるための具体的な計画が必要であると指摘された。特に、利用者からのフィードバックをしっかりもらい、制度改正を行うべきとの意見もあった。市長は市民の参加意識を重視し、運行開始後の課題抽出を行う方針を示した。
フレイル予防では、高齢者が自立した生活を送るための啓発活動や、地域ぐるみでのサポートが必要であると議論された。市民部長は、地域づくりや健康寿命延伸に向けた公民館カフェの重要性を強調し、高齢者と子育て層の世代間交流の促進が求められていると述べた。
また、交通安全対策については、市内の交通事故防止が急務であり、高齢者のドライバーによる事故抑制のための補助金制度や、信号機設置の議論が続いている。特に国道141号線の信号機設置には早急な対応が求められている。市は、これらの支援策を幅広く周知し、地域住民の安全を守るための全力を尽くす必要がある。
議会での協議を通じて浮かび上がったこれらの課題は、今後の施策改正の大きな指針となる可能性が高く、地域住民のための有効な政策展開が期待される。