令和5年9月28日、北杜市議会は定例会を開催し、各種決算の認定や新たな条例案の審議が行われた。特に令和4年度の一般会計歳入歳出決算の認定に関する報告は、財政状況に対する様々な議論を呼び起こした。決算特別委員会の委員長である加藤紀雄氏は、「令和4年度は市民サービスの向上に努めた結果、時代に即した施策が実施できた」と述べたが、課題の指摘も相次いだ。
特に、議員の中からは、特定の施策について十分な理解や支持が得られていないとの意見が相次いだ。志村清議員は、「新庁舎建設基金に対する市民からの同意が得られておらず、この状況での経費の増大に疑問を感じる」と発言。また、福祉関連の施策に対しても、必要性を訴える声が多く見られた。
その中でも注目を集めたのが、加齢性難聴者に対する補聴器購入助成制度の創設を求める請願である。賛成派と反対派が入り混じる中、最終的に請願は不採択となったが、議員たちは「高齢者世代への配慮は不可欠」であるとの認識を共有していた。
特に、志村議員は議論の中で「このような施策が本当に必要なのかを市民に問いかけることが重要だ」と強調し、教育の質も含めた総合的な支援が求められることを示した。
このように、今回の市議会は、予算や決算に対する透明性の確保、市民の声を反映させるための場としての役割を果たすため、議員間での活発な意見交換が行われた。その結果、令和5年度に向けた新たな施策や予算案が市民にとって信頼性のあるものになることが期待されている。