令和2年第4回塩谷町議会定例会が9月10日に開催され、令和元年度各会計決算の認定など多くの議案が討議された。特に注目されたのは、一般会計歳入歳出決算の認定に関する議論である。
一般会計の歳入は前年対比で約1億2,600万円増、歳出は約1億5,500万円減となった。これに対し、反対派の橋本巖議員は、依存財源である地方交付税の減少が影響しているとして、「自主財源と依存財源の比率は改善したが、厳しい財政運営が続く」と指摘した。
賛成派の大嶋晴宏議員は、歳入の増加は町税収の伸びに起因していると評価し、「効率的かつ効果的な行政運営が求められる」と述べた。その後、一般会計決算は賛成多数で認定された。
続いて、国民健康保険特別会計決算についても議論が交わされた。橋本議員は、本決算が過去に類を見ない基金繰入れゼロであり、国保財政が圧迫されていると警鐘を鳴らす。一方で和氣勝英議員は、国民健康保険制度の重要性を強調し、適正な執行が必要であると賛意を表した。
会議の中では政治倫理審査会の報告も行われ、和氣議員が不適切な言動について謝罪したことも話題となった。また、追加議案として提出された河川災害復旧工事の請負契約は全員の賛成を得て可決され、今後の復旧事業への期待が寄せられている。
町の今後の財政運営に向けては、観光振興や人口減少対策、コロナ禍による影響など多くの課題が指摘されている。議員たちが一致団結し、持続可能な財政基盤確立に努めることが求められる。