令和6年3月6日に行われた塩谷町議会定例会では、教育や福祉、地域住民の生活に関わる重要な問題が議論された。
まず、鈴木惠美議員が提起した町民スペースの活用に関する質問が注目された。新庁舎開庁記念講演会では文化振興事業が行われたが、地域の伝統文化に対する評価や参加者層の偏りが指摘された。町長の見形和久氏は、文化振興事業は町民が多様な文化芸術に触れることを目的としていると説明し、今後も様々な文化事業の機会を提供する意向を示した。
また、続く高橋好雄議員の質問によって、町の生活交通の現状も明らかにされた。令和6年度からはデマンド交通の追加運行や時間拡充が計画されており、特に土曜日の運行が増える見込みであるとされ、町民の移動の利便性向上に期待が寄せられている。しかし、運行終了を見据えた廃止の声もあがる中、町は今後の運行体制について慎重に検討していく姿勢を強調した。
ケアラー問題への取り組みも考察された。町は今年度からこども家庭センターの設置を計画しており、子供や妊産婦への支援を講じる方針が示された。さらに、若年層や高齢者のための支援策として、ヤングケアラーに特化した支援の可能性も検討すべきであるとの意見があり、町長はこの点に関して協議を深めていく意向を示した。
最後に、地域活性化に向けた取り組みが議論され、町主導ではなく町民参加型の町づくりを重視する必要性が強調された。住民自らが主体的に関わることで、独自の魅力を持った町づくりが進むことが期待される。
町のデジタルトランスフォーメーション（DX）推進についても話が及び、町長は地域に根ざした取り組みを通じて、町民が安心して暮らせる町の実現を目指す意気込みを語った。議会での討議は町民の暮らしを豊かにするための重要なステップと位置づけられており、今後の施策展開に注目が集まる。