令和元年第6回塩谷町議会定例会では、町の課題や施策が多岐にわたって取り上げられた。特に注目されたのは、庁舎整備や町づくりに関する議論である。
庁舎整備については、町長の見形和久氏が、平成20年度の負債状況や現在の財政健全化に向けた取り組みを強調した。町長は、人口減少や高齢化社会の進展を背景に、今後の財政状況の影響を考慮し、計画を進める意向を示した。データによると、町債残高は半減し、特に財政の改善は著しい。ただし、庁舎整備に伴う今後の事業費については、尚も注意が必要であると指摘されている。
さらに、庁舎の建設地に関しては、玉生中学校跡地が候補として示されているが、線状降水帯の影響や近隣の安全性について懸念が示された。特に、佐貫観音周辺の浸水リスクへの懸念が議員から挙げられたことは無視できない。これに対し、町長はハザードマップに基づいた対策が必要であることを認め、今後の方針決定には専門家の意見を参考にする考えを示した。
また、指定廃棄物の問題についても議論が交わされた。町長は、環境省からの要請に対して、指定廃棄物の保管場所が町内の別の適地に移転することについて、対応に苦慮していると述べた。移転には難航が予想される中、現在の保管場所についての安全対策として、強固な保管の必要性が求められている。
最後に、観光振興に関する話題では、地域資源を活用した農泊事業の推進や、人的交流を生かす合宿誘致などが提案された。特に、町外からの訪問者に対して塩谷町の魅力を紹介し、定期的な交流の場を設けることが重要であると強調された。
町長は、このような取り組みを通じて地域の活性化を図る必要性を強調し、今後も多様な施策を模索していく意向を示した。新たに設けられる観光協会との連携を強化し、効果的な広報活動を行うことが求められる。これにより、塩谷町全体の知名度向上が期待される。