令和3年9月2日に開かれた塩谷町議会では、令和3年度の一般会計補正予算など14件の議案が審議された。特に経済状況の悪化を受けたコロナ対策が重要なテーマとなっている。
町長の見形和久氏は提出議案の説明において、コロナ禍での影響を強調した。県全体の経済基調が「弱含み」とされ、特に個人消費や雇用情勢は依然として厳しい状況にあることを報告した。
この状況を反映し、議案第10号として塩谷町一般会計補正予算第5号が上程され、補正額は約5,999万3,000円となることが提案された。歳入では、地方交付税の増額や町税の減額が見込まれている。歳出では、新庁舎建設工事監理業務委託費や生涯学習センターの改修工事費についての支出が増加しているものの、町議会議員選挙費は減少する見込みだ。
また、議案第11号の国民健康保険特別会計補正予算も審議の対象となり、ここでもコロナの影響により過年度分の実質収支額を考慮した補正が行われることとなる。特に令和2年度の実質収支を繰り越す形で1,400万円を追加する提案がされ、これにより総額は約13億9,020万円になる。
その一方で、教育長の任命といった人事案件も審議に上がり、現在の教育長である斎藤智之氏の継続任命についても一致した同意を得て可決された。彼は教育行政における高い識見を持つと評価されている。
さらに、議会は新型コロナウイルスの影響による厳しい地方財政問題に対処するために税財源の充実を求める意見書を提出することに決定した。議員たちはこの問題が地方自治体にとって喫緊の課題であることを改めて認識し、具体的な施策の展開を求め続ける立場を強調している。
質疑応答では、橋本巖議員が新庁舎建設における予算配分について細かく質問し、進捗状況や具体的な工事の内容に関する説明が行われた。また、斎藤定男議員は教育費に関するキャンセル料の計上について質問し、その透明性が求められる結果となった。
今次定例会は、コロナ禍による財政的困難を乗り越え、塩谷町がより良い未来に向けて努力する姿勢を示す場となった。これらの議論を通じて、議員たちの協力体制がさらに強固なものになることが期待されている。