令和3年6月4日に開催された第3回塩谷町議会定例会では、重要な議案が上程され、議論が交わされた。
特に、令和3年度塩谷町一般会計補正予算(第2号)に関する議案は、注目を集めた。町長の見形和久氏は、提出した議案の説明において、新型コロナウイルスワクチン接種の進捗状況と共に、塩谷中学校のPCR検査結果が全員陰性だったことを報告した。さらに、ワクチン接種の進捗として、接種率が34.7%であることを述べ、今後の協力を求めた。
議案第4号の補正予算案には、低所得者子育て世帯への支援も含まれているが、議員からは独自の財源計上についての疑問や不満が示された。例えば、橋本巖議員は、「支給額の上乗せや対象児童の拡充がなされていなかった」と批判し、町民に寄り添った施策の実施を強く求めた。
また、会議中には、交付金の返還に際し議会への説明が不足しているという意見も出て、特に橋本巖議員が反対意見を示し、「補正予算を提出する前に説明もなく唐突な予算計上には信頼関係が欠如している」と主張した。それに対し、町長は、補正予算が必要な経費であると強調し、良好な財政運営を継続すると述べたが、議員の間には懸念が残る結果となった。
議案の採決に移ると、令和3年度一般会計補正予算は否決され、他の議案については原案通り決定された。特に教育委員会委員については、全会一致で再任の同意が得られたことが強調された。議会の信頼性と透明性を向上させるためには、今後も議員による厳しいチェックが求められる。議長の冨田達雄氏は、「町民の理解を得るためには説明責任が重要だ」と述べ、会議は締めくくられた。