令和5年12月6日、塩谷町議会は定例会を開催し、さまざまな議題が取り上げられた。特に重要なテーマとして、町の将来像と展望が議論になった。
高橋好雄議員は、町の将来の姿について二つの重要課題を指摘。他市町の傾向に倣い、塩谷町も新庁舎を基盤にした町づくりを進める必要があるとの見解を示した。この視点を踏まえ、町長の見形和久氏は、町民が安心して暮らせる町づくりを目指し、具体的な施策を講じていると発言した。
まず、人口減少をどのように克服するかが大きな課題である。過去10年で塩谷町の人口は約2,374人減少し、今後10年で7,000人まで減少する見込みだ。高齢化も進み、同町民税収入は減少傾向にある。この中で、町長は「子育て支援や高齢者対策を一体的に実施することが必要」と強調した。長期的な視野で居住環境や買い物支援、介護施設の充実を図る必要があると述べた。
次に、予算編成に関する方針についても触れられた。町長は「令和6年度予算は、町の厳しい財政状況を踏まえた上で、必要である事業を選定し、適切な予算措置を行っていきたい」と強調。特に、移住促進事業に向けた取り組みも計画されている。町外からの来訪者が多くなる中、誘致政策への関心が高まっている。
また、2024年度の重点事業に関しては、町長が具体的な施策と地域振興計画の整合性を図りながら進めていくことを明らかにした。特に、東古屋地区の簡易水道運営事業や、(仮称)総合福祉センター整備事業が進捗していることも報告された。
町のさらなる経済活性化戦略として、ふるさと納税制度が取り上げられ、実施状況と今後の戦略を説明した。町長は「町の魅力を発信しつつ、納税者のニーズに応えた返礼品を用意する必要があります」と述べた。特に、地域の特産品を活かした商品展開を進めたい意向を示した。
最後に、町長は「公約の達成状況についても、次期選挙を見据えた観点を持ちながら進めていきたい」とし、町全体の福祉の充実を図る考えを改めて示した。このように、課題は山積しているが、町の未来に向けた確実な歩みを強調した。
塩谷町は人口減少や高齢化が進み厳しい状況にあるが、今後の施策を通じて持続可能な地域づくりを目指している。地域の特性を生かし、多様な施策を進めることが、町の今後の発展に不可欠であると言える。