令和3年3月、さくら市議会では一般質問が行われ、市長の花塚隆志氏が新型コロナの影響を受ける農業分野の課題について詳しく述べた。特に農産物の売上げ向上に向けた施策と高収益作物への推進が重要視されている。
石原孝明議員は、コロナ禍における農産物の消費減少や減産の問題に触れ、市としての支援策を求めた。市長はコロナ影響を受ける農業者の対策として、農業者応援助成金を交付したことを説明し、具体的には500万円を上限に支援を行ったことを報告した。また、新たな支援策として、減収幅の大きな農業者に対する支援も検討しているという。
また、高収益作物への切替についても、市としての取り組みが強化される。市では農業再生協議会を通じて、国の支援事業を活用しながら、農産物の生産支援を行っている。特に、米の生産を減らし、麦や大豆等の高収益作物の生産拡大を図る方針が示された。国の経営所得安定対策や新市場開拓に向けた支援を活かすことが今後の重要なポイントとなる。
次に、農業者の高齢化や従事者の減少についても議論され、今後の農業体制の継続が難しくなる懸念が表明された。市長は高齢化対策として新規就農者の確保や集落営農法人の支援を強化する方針を述べた。また、地域におけるコミュニティの維持や草刈り等の管理についても、関係者と協調することが必要とされる。
石原議員はコロナ禍における農産物のPR活動も提案し、様々なイベントの中止により販促が難しい状況を改善する必要性を訴えた。市は先行して、とちぎ花卉などを活用したPR活動や地元農産物を支援する取り組みを進めていると報告した。
この討論で明らかにされた市の農業政策は、農業者の持続的な支援を念頭に置いており、今後も地域経済と農業の再生に向けた取り組みが注目される。