令和3年第1回大田原市議会定例会が3月5日、開催された。
議員からは新年度予算の編成や新型コロナウイルス感染症への対策、職員の給与に関する質疑が相次いだ。
特に注目されたのは、令和3年度の新年度予算の編成方針およびその影響についての議論だ。伊賀純議員は、市民生活の実態把握を基にした予算編成の重要性を訴え、特にコロナ禍で影響を受けている市民を支援する内容であるべきだと強調した。市長の津久井富雄氏は、地域経済や住民生活を支える予算編成が行われていることを説明し、現在の市民生活支援や各種施策の充実を目指すと述べた。
その中で職員の地域手当の3%引下げが、厳しい財政環境の中での苦渋の決断であると強調した。これは約6890万円の削減につながり、職員の士気に与える影響が懸念されている。市長は、財政再建のための苦渋の選択として理解を求めた。
また、給食の無償化に関連して、栃木県内での動向や住民負担という視点からも議論が行われた。秋山幸子議員は、給食費の保護者負担の見直しが、家庭の経済的な負担を助けるためには重要であると述べつつ、滞納問題の発生を懸念した。
市長は、給食の無償化の継続の重要性を認識しつつ、厳しい財政状況であることを踏まえ、受益者負担の原則について言及した。また、給食費の徴収問題の対策として、親切丁寧な対応に努める考えを示した。
新型コロナウイルス対策にでは、ワクチン接種の進捗状況とその安全な実施についても質疑が行われた。市は接種体制に万全を期し、ワクチン接種率の向上を目指すとともに、引き続き感染症防止策に取り組む必要性を強調した。さらに、北那須地区での集団接種の協力体制についても議論された。市長は、北那須モデルの意義や連携の必要性を訴えたが、方針については今後柔軟に対応する意向を示した。
全体として、議会では新年度予算が市民生活に寄り添ったものであるか、厳しい財政状況への理解を求める声が強まっており、市は地域経済や少子高齢化問題に直面している。今後の課題として、職員の待遇改善や市の独自施策としての給食費無料化の動向が注目される。議員たちは市民とともに協力し、危機を乗り越えるための具体策を求めていく意向を示している。