令和2年3月4日に開催された大田原市議会定例会では、令和2年度予算に関する議題が中心に扱われた。市長の津久井富雄氏は、厳しい財政見通しとともに施策の重要性を訴えた。特に、財政削減の方針を掲げ、さまざまな市単独補助金の20%削減を行うと述べ、「給食費の一部負担をお願いせざるを得なかった」と強調した。さらに、教育支援体制の充実も図られ、新年度に向けてICT教育の推進が掲げられた。
予算案では、一般会計が338億6,000万円に定められ、これは前年度の342億円を下回る計画である。ここには、経済回復へ向けた施策が巧みに盛り込まれており、市長は「市民サービスを維持するための工夫が必要」とも述べた。特に教育現場では、ICT環境を整備し、来年度から1人1台端末配備のための準備が着々と進んでいる。タブレット端末の導入により、授業の質を高める試みも形を整えている。
また、地元企業との連携を模索し、移住者の定住支援を進める姿勢も示された。特に、黒羽高校への支援として、企業との交流を図ることが重要であると市長は強調した。さらに、黒羽観光やなに関しては、観光客の増加が期待されており、被災後の復旧活動が進展中であると報告された。
災害復旧に関して、昨年の台風19号被害からの復旧状況も活発に討議され、道路や農地の復旧が進んでいることが説明された。県との連携を強化し、早期復旧を目指す姿勢が貫かれている。
最後に、環境問題への対策として、プラスチックごみを減らす取り組みも啓蒙されており、地域内外における協働の重要性が再認識された。市民、企業、そして行政が一体となって、持続可能な地域づくりへの道を進めることが、今後の大田原市の真の課題とされている。