令和6年3月4日に行われた那須町議会定例会では、様々なテーマに関する一般質問が行われた。特に、農業振興と環境保全型農業についての質問が目立った。
最初に、平山 輝貴議員が環境保全型農業の取組状況を問うた。町長の平山 幸宏氏は、環境保全型農業直接支払交付金事業を通じ、化学肥料と農薬の使用を削減する努力がなされていると述べた。昨年度は33団体に対して約2530万円の支援が行われたとのことだ。なお、今年度の見込みとして2670万円の支援が計画されていることも併せて報告された。
続いて、農林振興課の阿久津 正樹課長は、カバークロップなどの土壌改善策を実施しており、特に小規模農地において土壌の健康が重要であると強調した。また、環境保全型農業は温室効果ガスの削減にも寄与することから、今後は地域と国との連携が鍵になると述べた。特に、長期的な視点での農業普及支援施策や、有機農業に関する事例を参考にした取り組みが強調された。
平山議員は、農業者の経営状況について不安を表明し、補助金制度の情報提供を求めた。阿久津課長は、広報やJAを通じた周知活動を進める考えを示し、農業者が新制度を理解しやすいようにサポートしてゆく意向を示した。
次の話題では、農業法人の設立支援についても意見が交わされた。認定農業者数の減少が懸念される中、町は法人化を進めることで、資金調達や経営の効率化が図れるとの考えを示したが、法人化の成功事例も踏まえ、より多様な支援方法の導入が求められているのが現状である。
また、観光振興についても言及され、湯本地区の活性化に必要な方策として、町営湯本駐車場の利用促進や周辺地域の観光資源の整備が重要であるとされた。特に、訪問した観光客への利便性向上策が求められているが、今後の実行は町、事業者、地域住民との連携の深化が必要となる。
総じて、議会では環境保全型農業の重要性が強調され、持続可能な農業と観光資源の保護を確立していくための計画が論じられた。今後の施策が実効性を持つかどうか、地域社会がその成果をどのように受け止めるかが鍵になることが示された。